2013年3月13日水曜日

他者の困難に対して援助の選択を自分で判断する権利



アサーション権

アサーション権は100以上あると言われています。まとめ方で数も変わりますが、現在、マートワンゲンキポリタンでは、アサーション権を分かりやすくするためにシンプルに次の9つと全体に共通する基礎(じぶん外の力とじぶん内の力)にまとめています。


 1.自分の行動を自分で選択して実行する権利
 2.他者と違う自分の価値観を大切にする権
 3.(知らない、できない、分からないなど)不完全であってもいい権利
 4.論理的な説明できなくてもいい権利
 5.自分の意見を主張しない権利
 6.間違いや失敗をする権利とその責任を果たす権利
 7.自分の考えや意見、行動を変更する権利
 8.他者の困難に対して援助の選択を自分で判断する権利
 
   9.周囲の期待に応えなくて良い権利 

私たちは誰もが、周囲の人々の期待に応えるかどうか、自分がどんなふうに感じ、どう考え、どんな行動をとるか、自分が決めたり、判断してよく、その結果についても、自律的に責任を取ることが許されています。

つまり、自分の行動の選択と判断について、最終責任者は自分だということです。
自分の感じ方、考え方は自分のものであり、他人がどう思おうと、他人と同じ感じ方や考え方をしなくてもいいのです。また、それを主張する権利も、変える権利も自分が持っています。
同じく他者も自分と同じように、自分の行動を決める権利をもっています。つまり誰もが他者を変えることも、コントロールすることもできないことを意味しています。
さて、この考え方をビジネスの現場に反映したらどうなるでしょうか?
今日は結婚記念日、パートナーと外食の約束をしています。プレゼントも購入しています。さあ、気持ちもワクワクと帰ろうとしたときに、上司が食事の誘いをしてきました。
個人的な意見も聴きたいとのことです。断ることに申し訳ない気持ちもあって曖昧ですが「今日は、ちょっと」と、早く帰りたいメッセージを送りました。上司は「久しぶりなんだから、ちょっとぐらいいいじゃないか」と誘ってきました。相手の気持ちを察すると、誘いに乗っても断っても、どちらを選んでも後味がすっきりしません。
こんなとき、あなたはどうしますか。
パートナーと上司への配慮、いやな気分にさせない説明と断り方、約束した後悔などが整理出来ないまま混乱が脳裏を走りますが、それらに意味があるわけでなく、自分が意味付けをしているだけです。
つまり相手の行動の問題ではなく、自身の感じ方(意味付け)の問題なのです。
自分の選択に意味付けするのは自分しかいないということです。どちらを選んでも決めたのは自分なので、パートナーや上司のせいにしてはいけないのです。
重要なポイントは、どちらを選択しても、選択した以上は自分の行動に責任をとるのが気持ちのよい過ごし方ができます。
つまり、いまこの瞬間に集中して、上司と行くなら上司とのコミュニケーションを大切に過ごせばよく、パートナーとの約束を守るならパートナーとの時間を大切に過ごせばいいのです。
自分が選択した行動を力の限り実行するのがアサーション権を守ることです。それが人として生きることだと思います。
ある行動を選択したために、選ばなかった行動や相手を気にすることは、気遣っていると解釈する方もいるでしょうが、それは間違いで、自分が自分の行動に責任をとっていないだけのことなのです。
これが残業の要請だったら、どうなるでしょう?やはり同じです。重要なことは、いまこの瞬間に集中して過ごせる選択をすることです。
どちらを選択しても、いまこの瞬間に集中して過ごせないというのは選択が問題ではないのです。自分の行動に責任を持とうとしないことが問題なのです。

自分の考え方、感じ方の問題なのです。

アサーション権を認識していないと気持ちが引き裂かれそうになるかもし知れませんが、認識していたら考えに混乱が起こらないので選択に迷いが生じません。選択に迷いがなければ、いまこの瞬間に集中して過ごせるようになります。

【ビジネスの現場からこんな意見が聴こえてきます。】

それは分かるけれど、ちよっと待ってくれ、「どうしてもやり遂げる必要のあるときに残業を拒絶されると困るよ」という意見もあるでしょう。
組織(集団、チーム)は、目標があります。その目標を達成することを目的に人が集結しています。自分の役割を果たすことが必要条件です。それを基本に考えると答えが見えてきます。
目標を達成するには、意欲が必要です。烏合の衆では意味がありませんが、意欲がなくても問題視しないのは生産性で測れます。没頭力、違う言い方をすればいまこの瞬間に集中することができるかどうか、それを明文化していることが前提条件です。
明文化して、その実行を評価していれば、この瞬間に集中して過ごせない選択をしなくなります。行動にメリハリ、つまり責任感が行動に伴いますので選択もそれに準じます。
アサーティブなコミュニケーションが風土として定着するようになります。つまり働きがい、やりがいのある職場になるので、目標達成力もアップし、離職率は下がります。風土化することで、さらに外部(ユーザ、仕入先、共同体)との関係性においてもアサーションを可能にしてWIN-WINな関係を創る力がつきます。
この逆が渋々残業するチームです。このようなチームではイヤな顔をしないことが尊ばれますが、本当に大事なのは見せかけの表情、態度ではなく、行動の充実度であって、実態は生産性に表れます。ユーザ、仕入先、共同体との関係性も芳しいものにはなりません。
チームとして、他に抑えておきたいポイント。
●自分の役割を果たせないために周囲の人に迷惑がかかることは許されません。もし能力の不足があるなら不足の充足をして、周囲に手伝ってもらう状況を一刻も早く克服するようにします。能力の不足の発見と充足がチームリーダーの仕事です。
●手伝うひとは、手伝いに使う時間を別のことに使えた時間です。手伝うひとのスキルアップを妨害することになります。
これが仕組み化してしまうと全員がスキルアップしない職場になります。部下が成長しないのでチームリーダーはいつまでも同じポストをキープできますが、時代は刻一刻、変化、進化し続けるので、チームの劣化が必然になります。
手伝ってもらわないとできないようなひとが集まったチームは使い物にならないチームになります。
チームとしてアサーション権を守ることが生産性、人材育成力に影響することに留意したいものです。
冒頭に説明したように、このアサーション権は、誰もが他者を変えることも、コントロールすることもできないことを意味しています。

しかし、このアサーション権の遵守によって、自律的に他者が変わる、自主的に参加する可能性を現実のものにします。

「与えよ、さらば与えられん」

       ・・・・但し GIVE&TAKEではありません。GIVE&GIVENです。


アサーション権

アサーション権は100以上あると言われています。まとめ方で数も変わりますが、現在、マートワンゲンキポリタンでは、アサーション権を分かりやすくするためにシンプルに次の9つと全体に共通する基礎(じぶん外の力とじぶん内の力)にまとめています。

 
1.自分の行動を自分で選択して実行する権利

 2.他者と違う自分の価値観を大切にする権
 3.(知らない、できない、分からないなど)不完全であってもいい権利
 4.論理的な説明できなくてもいい権利
 5.自分の意見を主張しない権利
 6.間違いや失敗をする権利とその責任を果たす権利
 7.自分の考えや意見、行動を変更する権利
 8.他者の困難に対して援助の選択を自分で判断する権利
 9.周囲の期待に応えなくて良い権利

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