<起業家精神>とは、リーダーシップに他なりません。
リーダーシップの定義な人によって違うでしょうが、何にしてもリーダーシップは<肯定的な人間関係の仕方>からしか生まれません。つまり「私もOK,あなたもOK」の構えを体現できる人です。
なぜなら、率直、誠実、対等、自己責任というアサーティブなコミュニケーションができない、自分と同じように他者を尊重できない人には(ヒトラーのような状況を除けば)根本的に不可能だからです。
私は次のことが実際にできること、行っていることを条件にしています。
• 明確な目的を持ち、チーム全員に行く方向(目標)を鮮明に示すこと。
• その目的を達成すると、どうなるかを全員に認識させること。
• その目的、目標には大義があること。
• 目標は北十字星の如きであること。
• 誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じていること。
• 目標に圧し潰されないようにマイルストーンがあること。
• 毎日は地味だが目の前の成すべきことに無我夢中で取り組むこと。
• マイルストーンを命のように大切にして毎日の達成を祝福すること。
• 毎日PDCAを回して常に改善を図ること。
• 常に最悪の状態を予測、想定して、準備すること。
• それでも起こったトラブルは楽しむこと。
• どんな悪い環境でも、すべてを受け入れること。
• ストレスに対して感情の渦に身を置いて逃げ込まないこと。
• 放置すればその日の内に情熱は失せる、消えない前に全員に火を点ける
これら<すること>の基礎には、<在り方>があります。
<在り方>は様々ですが、普遍的な<在り方>として、自分を含むステークホルダーたちが健康で幸福な人生が過ごせるようにしようとする<在り方>に他なりません。
先にヒトラーのような状況を除けばと言いましたが、ヒトラーの間違った成功は国民に北十字星が示せたことにあります。逆に言えば他のどれもができていても北十字星が示せない人はリーダーにはなれない、なってはいけないのです。
つまり幸福な人生のある場所を示せない人に<起業家精神>を求めることはできないのです。起業しても失敗します。「自分さえよければいい」という考え方は通用しないことを意味しています。「顧客満足」「従業員満足」「働きがいのある会社」が重要視されるのはそのためです。しかし日夜、対峙している人はどうれほどいるでしょうか?それが現実です。裏返せば違いを生み出す違いはすでに手の中にあるということです。
人生を謳歌する秘訣は楽しむことにあります。決して苦労するためのものではなく、幸せで楽しい日々を過ごすためのものです。しかしワークライフバランスが問題視されることでも分かるように多くの人は間違った考えを持って間違った行動をしてしまうことで、辛い人生を過ごしています。<起業家精神><リーダーシップ>とは、これを是正し、健康で幸福な人生が過ごせるように誘導するものです。
私たちは地球上で暮らしているすべての人々と関わることができません。限られた時間の間で、限られた人としか接することができません。つまりビジネスはそれ自体が<コミュニティ>なのです。
<コミュニティ>が大きく開かれ、健康で幸福な人生が過ごす上で、有意義なものであればあるほど、人は<コミュニティ>に参加してきます。この<コミュニティ>で使っていただける費用の中に、商品、サービス、情報など原価とコミュニティを維持する手数料が含まれています。その一部を利益と呼んでいるのです。
リーダーシップは、家庭を持ち、子どもを育てる人にとって、誰もが必要としているスキルなのです。現実には人それぞれに能力の限界があるので、誰もが持つことはできませんが、リーダーシップこそが社会人としてのスキルです。実際に起業するかどうかはともかくすべての教育はリーダーシップを育むためにあると言っても過言ではありません。
リーダーシップを仕事を進める上でのリーダーととらえるべきではありません。それを言うなら部下を持つプロフェッショナル、部下を持たないプロフェッショナル、部下となるワーカーというように役割分担上の役割でとらえるべきです。リーダーシップは共有しているスキルととらえるのが健全です。
ですから<働きがいのある職場>ではリーダーシップ、つまり起業家精神を共有します。
そのためにまず肯定的な考えを職場に浸透させることから始めます。
それを具体的にまとめると次のようなことに集約できます。
- 肯定的な言葉
- 肯定的な態度
- 肯定的なイメージ
- 健康的な生活
- 肯定的な仲間づくり
- 感謝の視点を持つ
- 肯定的な視点
試しに次の質問に答えてみてください。
肯定的な言葉
- 明るくポジティブな言葉を口ぐせにしていますか?
- 誰に対しても、挨拶は欠かさず自分から率先してしていますか?
- 肯定的な言葉、なかでも「ありがとう」をよく口にしますか?
- 愚痴、不平不満、悪口、不安、悲観など否定的な言葉は使っていませんか?
肯定的な態度
- 活き活きとした態度、良い姿勢を実践していますか?
- 笑顔、微笑みは多いですか?
- 感情的な態度はしないようにコントロールしていますか?
- うまく行かない時でも、落ち込まずやり直してみようとしていますか?
肯定的なイメージ
- 目標を達成するイメージを頻繁に思い浮かべますか?
- 周囲の人が喜んでいるイメージを頻繁に思い浮かべますか?
- ネガティブな感情的なイメージは見方を変えて排除するようにしていますか?
- 1日の始まり、1日の終わりには、 肯定的なイメージを思い浮かべていますか?
健康的な生活
- 毎朝、さわやかに起床していますか?
- 食欲はあり、毎朝、朝食を摂っていますか?
- 動くことを嫌がらず、運動を楽しんでいますか ?
- 体幹筋の向上に気を配っていますか?
肯定的な仲間づくり
- 周囲の人は肯定的ですか?
- 周囲の人に明るい挨拶や聞き上手などの肯定的な刺激を与えるようにしていますか?
- 周囲の人にチャレンジする心を奨励していますか?
- 周囲の人の幸福を共感していますか?
感謝の視点を持つ
- 健康に感謝していますか?
- お金や物、自然の恵みに感謝していますか?
- 仕事や趣味に感謝していますか?
- 先祖、家族、周囲の人々に感謝していますか?
肯定的な視点を持つ
- なれる最高の自分になるように意識して暮らしていますか?
- 問題を自己成長のチャンスとポジティブに受け止めています?
- 何ごとにも、具体的な対策を立て、行動していますか?
- 大局を見失わないようにしていますか?
これらはどれも「していますか」という <DO>に対する問いかけですが、その前提に<BE~在り方>があるのは言うまでもありません。<BE~在り方>が整っていないと、いくらやっても見せかけに終わってしまい、長続きもしません。
<働きがいのない会社>では、これらのことに無関心です。つまり仕事をする環境に無関心なのです。マネジメントとはなにがあっても目的を達成することですが、そのためには障害を乗り越えなければなりません。つまり障害を取り除くことがマネジメントなのです。さらに言えば障害を起こりそうなことを前もって取り除くのが、優れたマネジメントです。
否定的な人間関係の仕方がまかり通っていても、気にもしません。自分と同じように他者を尊重できない態度、行為を見過ごします。ネガティブな側面に注目して、すでに手中にある違いを生み出す違いは放置されたままです。このような文化の上に、つまり砂漠に花が咲かないように、肯定的な人間関係の仕方のないところに、ポジティブな取り組みは行えないのです。
肯定的でないとは、できないと思っているので危機に鈍感なのです。だから備えに無関心になります。言葉の上では、いろいろ言っても本気ではありません。
肯定的だと、やりたい、できると思っているので、危機に敏感になります。
先に書いたように、リーダーシップは、家庭を持ち、子どもを育てる人にとって、誰もが必要としているスキルです。リーダーシップこそが社会人としてのスキルです。実際に起業するかどうかはともかくすべての教育はリーダーシップを育むためにあると言っても過言ではないのです。
と言うと誤解されそうですが、人生は楽しむためにあります。この意識こそが人生の軸となるもので、仕事の軸にもなります。これがブレるのですべてがおかしくなり否定的な人間関係の仕方にも無頓着になります。
起業家精神、リーダーシップとは、自分と周囲の人が生きることを最大限に楽しむためのスキルなのです。だから肯定的な構えが不可欠なのです。