2015年3月15日日曜日

ビズ・アサーティブ〜ひとりでも多くの人を成功させる仕組み

黒人教会音楽を聴いて育った白人エルヴィス・プレスリーがテネシー州メンフィスのスタジオでロックンロールを誕生させたとき、バンドのひとりは黒人差別者たちのパッシングを思い浮かべ「やれ、やれ、俺たちはここに住めなくなるぞ」つぶやきました。
その音楽がラジオから流れ出したとき、若者たちの間で「おい、あれ聴いたか」が流行語のように町中で聞かれるようになりました。

その2年後メジャーデビューして全米、さらに世界へ届くようになったとき、イギリスの高校生だったローリング・ストーンズのキース・リチャーズは「俺たちも(あんな音楽を)やっていいんだ」と思ったと語っています。ビートルズのジョン・レノンも同じでした。

エルヴィス・プレスリーのレコードは他社の工場を借りないと需要に追いつかないほど売れる一方、コンサート会場では逮捕状を持った警官が場内を取り囲み、エルヴィスが体を動かすと即、逮捕する体制で行われました。レコードは放送禁止、焼かれましたが、ヒットチャートのトップは独占状態が続きました。

米国社会の強固な差別構造と偏見を打ち崩したのは、政治意識に目覚めた運動家ではなく、白人音楽と黒人音楽を融合したロックンロールに共感した若者、女性たちでした。その状態を恐れた大人たちは対抗しましたが、広がる流れを食い止めることができず、同時多発的に起こった黒人による公民権運動さらに女性たちのウーマンリブ(女性解放運動)、若者たちのベトナム戦争への反戦運動へと人権運動は拡大していきました。

積極的自己主張を奨励する考え方、<アサーション><アサーティブ>はその根幹を為す人権に対する意識でした。率直、誠実、対等、自己責任を柱にしています。

現在、<アサーション><アサーティブ>はコミュニケーションをよりよいものにするという観点から、個人のスキルアップをする目的で奨励されています。最後は個人の取り組み次第になりがちです。
これまでの取り組み経験から言わせていただくと、もっとも多いセミナー要請の理由は、「セールストレーニングの結果は良好だが、実際の現場に行くと効果が発揮できない」というものです。つまり「真実の瞬間」に対する対策として活用したいニーズがもっとも大きいのです。
また教育に携わる部門に強い関心があっても、営業部門では関心が薄いというようなことが起こりがちでした。そもそも「個人のやる気の問題」に帰結してしまう状態では成果は期待できません。個人、個人は気にかけていて悩んでも自分ではどうにもできないと判断しているからです。
自分が提唱する<ビズ・アサーティブ>は、個人の取り組みの枠を超えて「誰がやってもできる」をテーマにしています。それが組織力だからです。
ある者がやればできるが、他の者ではできないというのであれば、個人の力量の問題で個人のカタルシスの上では良くても事業所全体としては機能していない状態なのです。「彼がマネジャーになって業績が良くなった」という言葉はどこの世界にもあるでしょう。この言葉が寂しくありませんか?
と、言ってもこの言葉がなくなることはありませんが、減らすことは可能なのです。減らせば減らすほど、組織が機能しているということに他なりません。それは働く人の笑顔が増えている状態を意味します。働きがいのある職場が増えたということであり、ステークホルダーの満足も増えたことを意味します。

「ひとりでも多くの人を失敗させない」仕組み。それがビズ・アサーティブです。

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