2015年3月13日金曜日

ビズ・アサーティブ~質問力から始まるWin-Win

クレドを導入すると決めたら、ステークホルダーにインタビューする必要があります。ステークホルダーがなにを望んでいるか聞き出さないと正しく応えることができないからです。

そもそもアサーティブは積極的自己主張の意味ですが、自己主張するには相手のことを知っていなければ、単なるノイズになってしまう危険があります。

これを避けるには、「相手を知る」つまり聞かなければわからないのです。自分も相手も同じように尊重することがはじまりです。つまりしっかり聞くことから始めます。聞くなかに「イエス!」が潜んでいます。

相手の話を聞くにはトレーニングが必要です。ただ黙っていては相手は話してくれません。相手の話を聞くには質問力が必要なのです。質問が相手の心に届くほど相手は真剣に話してくれます。相手が自分を受け止めてくれた、受け入れてくれたと感じるところから、心の通った会話ができるようになります。

これが積極的自己主張の本当の意味です。

自分が伝えたいことを伝えられるようにするには環境を整えなければなりません。誰でも一番大切なのは自分のことだからです。

たとえば部下や同僚との間でどうでしょう?上司が話したことがどこまでどのように浸透しているか、調査してみれば分かります。どちらにしろ、上司は伝えました。みんな知っていると言いますが、現実はズレがあります。同じレベルで聞いていないからです。上司に危機感が薄いほどズレは大きいものです。

伝える側は聞いて当たり前と思い込んでいるので、聞いていると思いますが、聞いていてもうわの空ということがあるものです。心配事がある相手に、伝えることで頭がいっぱいの人の思いと内容は届かないのが普通です。運動でも準備体操があるように、話す、聞くにもあります。

上手に聞くには、相手が話しやすい話題から入るのが原則です。相手の人が話しやすい内容をさらに踏み込んで「話したい」と思う内容を質問します。

しかもイエス、ノーの二者択一にしてあげると答えやすくなります。この時に注意が必要です。ノーと返ってきたら、そこで話が完了してしまうような質問は避けます。

たとえば「ご家族でご利用される予定はありますか?」と今後の予定を訊ねて、ノーと言われたら続きません。
しかし、これを過去の経験にすると、ノーと言われても続けることが可能です。「ご家族でご利用されたこちとはありますか?」と訊ねてノーと言われても、もう済んだ話だから、続けることが可能なのです。

「リースを利用されるお考えはありますか?」と訊ねて、ノーと言われたら、もう続きませんが、「過去にリースをご利用になられた経験はありますか?」と訊ねたら、イエスでもノーでも話は続けることが可能です。「ご利用になられて、満足されましたか?不満がありましたか?」と続けることができます。さらに「もしまたご利用のチャンスがあった場合、利用しても良いとお考えですか?」このように二者択一を続けた上で、オープンエンドの質問を投げかけて自分の言葉でかたっていただくようにします。


「そうですか。チャンスがあり、条件がよければ、リースも満更ではないのですね。どのようなメリットがあれば、利用しても良いとお考えですか?是非お聞かせいただけますか?」

オープンエンドの質問の後は、相手の答えに反応した質問を重ねていきます。

「ローンを組むより、安くて、サービスがよければなによりのメリットだな」
「どのようなサービスがあれば魅力的ですか」
「メンテナンスの費用が安いといいな」
「どのようなメンテナスを重視されていますか」というようにキャッチボールしていきます。
簡単ですが、しっかり聞いていないとキャッチボールできません。

ここが重要なのです。自分が聞きたいことしか頭にないと、しっかり聞けなくなります。
多いパターンがある程度、会話が進むと、自分の聞きたいこと、話したいことに、ジャンプするように誘導してしまうことです。焦る気持ちは分かりますが、相手優先でないとほぼ必ず脱線してしまいます。相手がしたい話を聞くのが原則なのです。

自分に都合のよい話でWin-Winを実現することは不可能です。

ここで取り上げた内容は、営業レベルの簡単な会話例です。
これが企業対企業でWin-Winを実現するとなれば、より複雑で高度になりますが、基本は同じです。


まずこの基本を設問を変えて、繰り返しトレーニングして質問力をアップしていきます。


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