2015年4月12日日曜日

【幸福な成功 】ビズ・アサーティブ〜「働きがいのある会社」は戦略だ




前回、「働きがいのある会社」をつくる上で重要な5つのキーワードに関する残りの意見は、こちらでご紹介しています。

働きがいのある会社がもたらすメリットは、離職率軽減によるコスト削減、業務遂行のスピードアップ、生産性向上など膨大ですが、なにより組織の企業文化に対する一体感は計り知れません。このメリットを手にしようとしないとは、尋常ではありません。

ところで組織とは「組織図」のことではありません。当たり前ですね。

組織づくりというと組織図を真っ先に考える人と、モチベーションを真っ先に考える人がいます。違いは目的とプロセスに対する考えの違いから生じています。
組織とはチームワークのことであり、チームワークは全員が自律できる働き方をすることです。自律できる働き方ができなければ誰がなんと言おうとチームワーク(役割分担)はできません。

心霊スポットとしても有名で200名からの兵士が遭難死した実話を映画化した「八甲田山」にこんな場面があります。

雪中行軍中の部隊(弘前第31連隊)のひとりが、遭難した別の部隊(青森第5連隊)に所属する弟の雪に埋もれた死体を発見します。兄は弟を担いで行ってやりたいと部隊長に申し出しますが、許可されません。
「気持ちはわかるが、弟を背負って行軍しているとお前が倒れる。お前が倒れると他の者が助けなければならず、やがて隊は全滅する。」というのが理由です。
まさしくチームワークとはなにかを説明した言葉です。チームワークを機能するようにチームを作った部隊(弘前第31連隊)は全員無事に帰還し、チームワークを考えずにチームを作った部隊(青森第5連隊)はほぼ全滅します。


チームワークとは、どのような目的のチームであっても自分の役割を誰の助けも得ずに果たせることです。そして教育、訓練とはできないことを発見することから始まります。これらを機能させるために意欲が必要であり、そのための動機付けが必要なのです。つまり組織とはコンクリートで固められた職場ではなく、ずっと蠢いている生き物なのです

自律できない人はトレーニングで自律できるように育てますが、それには土壌、つまり風土が必要です。風土をつくっているのは、チームワークができる組織を作れる力です。

力とは従業員がモチベーションを高める動機となる「働きがいJ を持てる状態を実現するための戦略のことに他なりません。つまり風土はパートナーにできる戦略を持てること、戦略を実行できる力の有無にかかっています。「組織図」とはその設計図でしかありません。

会社のかたちとはビジネス戦略の一部です。企業風土は競争のための重要なポイントです。もし従業員を本当に大切にすれば、従業員は会社や事業を大切にするパートナーになります。賢明な経営を標榜するなら、【質の高い人材の確保】 【優秀な人材の離職率の低下】【顧客満足度、カスタマーロイヤリテイの向上】 【イノベーションの促進】【創造性の発揮】 を実現することが高いパフォーマンスをあげるチームワークに必要です。これらに関して競争相手と比べて高い優位性保っている結果として、【生産性の向上]】 と【収益の向上】 につながります。

これらを度外視して高いパフォーマンスをあげる組織づくりなど不可能なのです。つまり事業を成功させるには「働きがいのある会社」になることがもっとも近道なのです。「働きがいのある会社」は戦略なのです。

「組織図」には関心を持つが、「働きがいのある会社」に必要な誠実(信用)、尊重、対等、誇り、チームワーク(連帯感)には関心が薄いというのは、結果を出すプロセスには全く興味がないのと同じなのです。抜け殻の職場があるだけで、戦略がない状態と変わらないのです。それで勝てと言われても漂流する戦艦と同じでは勝てないのです。
離職率が高いと最後には人選できません。人選できなくなるとチームワークは機能不全に陥ります。チームワークができなくなると「働きやすい職場」は作れても「働きがいのある職場」は作れなくなります。「働きがいのある職場」は作れないと組織はじわじわと崩壊していきます。
因果関係にネガティブな要因が多いと組織は破綻します。逆に因果関係が健全だと高いパフォーマンスを実現します。


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