2015年4月30日木曜日

【幸福な成功 】ビズ・アサーティブ〜全員経営を実現する「働きがいのある会社」






「衆知を集めた全員経営」は松下幸之助氏の言葉です。

上司からの指示を待つだけでなく、自分が店や会社を経営しているつもりで、何が必要なのかを自律的に考える。こうしたパートナーひとりひとりの自律的な力を」結集した経営が大事です。
経営の神様・松下幸之助氏は、それを『社員稼業』という言葉を使っていました。


社員稼業にふさわしい逸話があります。

創業者(松下幸之助氏)は、戦時中、信託銀行の若い行員から、ある工場再建を依頼されました。

「松下さん、いま東京の”私の会社”が経営の建て直しを頼まれている工場があるのですが、その工場を引き受けてくれませんか。これは非常に有望だと思います。松下さんが、お買いになったら必ず立派な工場になると思いますので、是非一度みてください。」

工場の内容、松下電器にどれだけのメリットがあるかを説く青年のあまりに熱心さに、「君がそこまで言うなら引き受けよう。但し引き受ける代わりに条件がひとつある」と返しました。

条件というのは、「引き受けるので、君がうちの社員になってほしい」というものでした。

信託銀行の行員は「それはできません。私は社員ですが、社長のつもりで仕事をしています」と返事しました。

創業者「社長のつもりでも実際には社員だろう」

行員「確かに身分は社員ですが、心持ちは社長です。社長がよその会社に行けません。」

創業者はますます気に入って、工場よりも、若い行員が欲しくなり、引き抜くことを諦めました。そして「彼を譲ってほしい」と正式に信託会社に申し込み承諾を得ました。松下電器に入社した彼が大活躍したのは言うまでもありません。



社員稼業にふさわしい逸材のお話です。



創業者の著書「社員稼業」から、「社員稼業」についてもう少し説明しましょう。

蕎麦屋の御樹人は、お得意さんの声に耳を傾けながら、その店独特の味づくり、店づくりに精魂を込めます。企業の経営者も同然です。これは、会社につとめる社員ひとり、ひとりについても同じことと考えてもいいのではないでしょうか?

つまり会社のつとめを、あたかも自分の家業、我が家の家の職業と考え、進めていってはどうかということです。自分の職務については、いわば自分が社長であるとの自覚を持つならば創意工夫が生まれてくるでしょう。上役や同僚、後輩など周囲の人々に対しても、すべてよきお得意様とみなして意見を聞くこともできます。そして自分なりに仕事を楽しみつつ、これを高めていくことができるでしょう。

社員稼業とは、そのように、自主独立の精神を持つことによって、自らの成長をうながし、仕事の成果を上げていくための大事な心構えなのです。

松下幸之助著「社員稼業」より


上役や同僚、後輩など周囲の人々に対しても、すべてよきお得意様とみなして意見を聞く…ステークホルダーに通じることですね。現実に個人にもステークホルダー(利害関係者)は存在しています。ステークホルダーにも質があります。優れたステークホルダーは自分を、会社を育ててくれる大事な存在です。でも耳を傾ける気がなければ、そのチャンスを逸します。でも絶対数ではチャンスに気がつかない人の方が圧倒的多数なのです。

「社員稼業」ができる人の登場を待っていてはいつのことか分かりません。自ら行動を起こさなければはじまりません。
「働きがいのある会社」とは、ひとりでも多くの社員稼業」を実践する人を量産して、全員経営を実現する仕組みです。



松下幸之助氏は、昭和45年(1970)に、アメリカの経済誌「ビジネスウィーク」から「”全員経営”をどう生み出したか」とのテーマで取材を受けています。いまから45年も前のことです。


質問:従業員の団結、チーム精神というものを高揚させるには、どうしたらいいのでしょう?」

創業者:従業員には、賃金と別に、働きがいというか、仕事に興味があるようにしていかなければなりません。自分たちがやっている仕事が社会にどうつながっていくかというよなことを訴えて、理解してもらい、そこから生まれる仕事への興味というものを各自に認識してもらう。そういうことが非常に大事ではないでしょうか。

そういうことが身についてくれば、みんなが仕事に興味が湧いてきて、命令を受けずして自分から創意工夫というものを、自分の仕事に生み出していく。あるいは会社に提案していくというようなことになってくるんですね。」





『私は社長』の意識を高める「働きがいのある会社」。

ネガティブな人生脚本の支配から従業員を救う「社員稼業」の意識があれば、仕事が面白く、人生に前向きになれる!








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