2015年5月25日月曜日

【幸福な成功 】ビズ・アサーティブ〜組織を育てなおす








終身雇用制度が常識でなくなったことで、会社勤めの意識も変わりました。会社の命令だからつまらないことでもじっと耐えるといった昭和の典型的なサラリーマン生活と違って、お金や安定よりもそれ以上に自分の夢や仕事へのやりがいを優先する意識が高まっているようです。

実際に、価値観を叶えるスキルは本人自身に委ねられていますが、スキルの有無にかかわらず意識だけがスキルに先行して広がっていて、これが個人的な人生脚本と重なって多くの問題を孕んでしまう原因になっています。スキルも努力もしないのに文句だけは一人前といった問題とつながっています。

この種の人を中心とした会社では依然として「指示命令型」マネジメント中心ですが、この体制では良い人材の確保は難しく離職率も高くなり経営を圧迫します。

マネジメントには、「指示命令型マネジメント」と「自律型マネジメント」があります。

自律型マネジメント」はトップからは「何をすべきか(Do)「どうあるべきか(Be)」というベーシックな目的、方針が示されるだけで、具体的に「どうやるか」については、中間管理職と呼ばれる層のマネジャーと最前線レベルのマネジャーが緒にオベレーショナルレベルで考えて取り組んでいくやり方のことです。つまりトップの意向を受けた現場に近いマネジャー層がすべての部下を巻き込み、自律できる全員が「全員経営」を実行することです。自主的に考えて行うので自然で宗教活動に似ています。

指示命令型」マネジメントとは、「なにをするか」「どのようにするか」つまり<Do>を、逐一トップあるいは近い上層部から末端へ指示命令して進めるやり方を取るマネジメント方式です。自主性を奪っているので他動的で、やらされ感が強いやり方です。

この状態では<Be>が抜け落ちてしまいますが、この環境で育った人は、やはりそのスタイルを踏襲しますので、いつまでも<Be>が除外されてしまうので、人が育たず競争力もどんどん低下します。

その最大の原因はマネジメントの原則がP(Plan)→D(Do)→C(Check)→A(Action)にあるにもかかわらず、指示命令待ちに慣れきっているために、考える機会が日常的に少ないので、C(Check)→A(Action)がほとんど機能しないからです。

機能しない状態を見て、指示命令の強化に暴走してしまうので、ますますP→D→C→Aは機能しなくなります。

トップあるいは近い上層部から末端へその都度、指示するやり方は、一人のトップマネジメントで決まります。トップの求心力と個人のマネジメント力で生死が決まります。

業績が向上するほど目が行き届かなくなるので、必ずしっぺ返しを受けます。なんとか育てようとしても、<Be>が除外されてしまっているので、理解が深まらず、効率の悪いものになります。

さらに根深い問題が潜んでいます。実際にはカリスマ的な力がなくても、指示命令するのがトップに限られるので自分の力を過信してしまい、悪くなったときにダッチロール状態に陥りますが、構造的な問題から手の打ちようがない状態になります。

この環境で育った人には、「自律型」マネジメントを説いてもほとんど理解できません。「指示命令型」「自律型」の2つの違ったマネジメント方式があることが知識としても理解できないのです。



一旦、過去のやり方をオールクリアする以外に方法はありません。

そして組織を育てなおすのです。





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